日本にカジノは来るのか?統合型リゾート(IR)整備推進法案の気になる今後の行方

2016年の政府の衝撃的な発表から早や5年以上が経過した「統合型リゾート(IR)整備推進法案」。
昨今のコロナ禍による経済低迷や外国人観光客の減少とともに、完全な下火傾向にあるのは否めません。
もし「カジノ法案」とも呼ばれるこの政策が暗礁に乗り上げたときには、オンラインカジノにとってはどのような影響が考えられるのでしょう?
今回は、現在のカジノ法案を取り巻く状況と、オンラインカジノへの今後の影響について考察していきましょう。

まさかの有力候補地「横浜」が撤退!

最大候補地のひとつでもあった横浜は、2021年の市長選で反対派の山中氏が当選したことで完全撤退となりました。
当初の予定では2022年4月28日までを誘致申請期限と定めているため、現在残る候補地は以下のようになっています。

  • 東京(お台場)
  • 大阪(夢洲)
  • 愛知(常滑)
  • 愛知(名古屋)
  • 和歌山(マリーナシティ)
  • 長崎(ハウステンボス)

有識者の見解によると、経済活動の分散を視野に入れた政策でもあるため、都市部への誘致は難しいという予想です。
ここにきて海外旅行先として観光地の魅力だけでなく、都市部へのアクセスや利便性などでも有利だった「横浜の撤退」は、誘致先選定に大きな波乱をもたらしました。
また、誘致先は「全国で3ヶ所」となっている点から、横浜とともに最大有力地だった大阪は現段階でも変わらず優勢です。
残るひとつはというと、経済活動の分散のためにも関東・関西・中部の中心部寄りの地域よりも、距離の離れた九州の長崎(ハウステンボス)が有力ではないかと言われています。
横浜の撤退により他の候補地の誘致活動は再燃するかに思えましたが、長引くコロナ不況の波が自治体や市民からの支持を得にくい環境を生んでいるのは事実です。

カジノ誘致の是非を問う和歌山県

候補地のひとつ和歌山県も横浜とあまり状況に変わりはなく、市民からの支持は得られたとは言えない状況が続いています。
もともとインバウンド需要が少ない地域でもあるため、事業資金への投資回収が見込めるのか疑問視される面も。
和歌山県はIR推進室で具体的なイメージを提供し、誘致活動も活発な地域でもあります。
しかしながら、資金調達が難航しているという情報もあり、今後もスムーズな進展を求めるのは難しいかもしれません。

名古屋は未だ動きが見えず

2018年時点では東京と同じく乗り気だった名古屋の河村市長ですが、その後は明確な動きはありません。
むしろ河村市長は三重県への誘致を打診するなどの一面もみせており、誘致先は市内にこだわらない姿勢も見受けられました。
しかしながら、愛知に関しては現在まで目立った動きはなく、コロナ禍での経過の静観が続いています。
市場関係者のなかでは人気の高い地域でもあるため、最後までどうなるかはわからないところではあります。

有力地ながら資金面で難航する長崎県

地域としての魅力などから有力視されながらも、開発に必要な事業資金3,500億円の調達先に苦戦する長崎県。
設置運営事業予定者である「CAIJ(カジノオーストリアインターナショナルジャパン)」は、最短で2027年の開業を見越しています。
しかしながら、提携先の銀行すらままならない状況があり、有力なスポンサーと呼べる企業もほぼいないという有様です。
期日が迫る今、地元では資金調達面での不安が議会でも飛び交う様相で、果たしてどのような決着となるのか注文されるところでしょう。

カジノ(IR)法案とオンラインカジノの関連性は?

日本でもランドカジノが楽しめるかもしれない、そんな期待はコロナ禍の影響でますます難しくなってきました。
ではオンラインカジノも不況なのか?というと、そこは真逆の状況となっています。
世界にあるランドカジノに行けなくなった人たちがオンライン需要に偏り、不況下にも利用者が爆発的な伸びを示す「勝ち組」業界です。
日本でもカジノ法案の報道により、これまで興味がなかった人たちでさえ、カジノそのものが身近なものになりました。
少なくとも日本国内ではIR誘致の難航とは裏腹に、オンラインカジノ利用者は日々増え続けているという現象が起こっています。

国が「カジノ」を認めるということ

これまではカジノは海外のギャンブルという認識でしたが、ある時期から日本でもカジノを国営の施設に取り入れたい意向が強まっています。
つまりはカジノゲームに慣れ親しんでもらった方が、そのときにも有利に働くこともあり、オンラインカジノの扱いもあえてグレーなまま放置している印象です。
世界的な情勢からもスムーズなカジノ施設の建設というのは、正直まだ定まらないと感じます。
しかし、それだけに施設不要でプレイできるオンラインカジノの優位性は、今後もますます高まることでしょう。
近い将来には、日本国内でランドカジノのルーレットをプレイできる日も来るかもしれません。
夢が叶うその日までは、オンラインカジノでしっかりと練習しておきましょう。